お顔の中でわかりやすいお悩みの一つが「クマ」ではないでしょうか。
メイクでカバーしようと思っても上手くいかなかったり、逆に目立ってしまったり・・・。
実は一言でクマと言ってもタイプが様々!そのタイプによって使うアイテムやメイク法も異なるため、クマを撃退するには、ご自分のクマのタイプをまずは知ることが重要です。
今回は長年沢山の方の肌悩みをメイクで解決してきた経験から、目の下のクマを目立ちにくくする方法をご紹介いたします!!
1.クマのタイプ別原因と判断方法
タイプ1 青クマ
①青クマの原因
青クマの主な原因は血行不良です。
私たちが普段見ている肌の色は血液中の「ヘモグロビン」の赤色と表皮にある「メラニン色素」の黒色~黄色のが掛け合わさって見えている色です。
(詳しくはこちらで解説しています→透明感のある肌になる方法)
しかし、血液の流れが悪くなるとその中にあるヘモグロビンの量も減り、「赤色」が減ってしまいます。すると、肌の上から見たときに他の色素の方が目立ち、青っぽく見えてしまうんです。
また酸素量が減った血液は鮮血ではなく黒ずんだ赤色になります。これも肌色が暗く見えてしまう原因になります。
どちらにしても血行が悪くなると、顔色が悪く見えてしまうのですが、特に目の周りは皮膚が薄いため、この血の色の影響をダイレクトに受けやすく、クマとなってしまう方が多いのです。
最近では、パソコンやスマホが普及し、目を酷使する方が増えました。目の筋肉が緊張状態が続くと血液の流れが悪くなってしまうため、より一層青クマ率が増えているんですね。
②青クマの判断方法
■顎を少し上げて鏡を見ても色が変わらない
■皮膚を引っ張ると色が薄まる
■日によって色の濃さが変わる
このような方は青クマの場合が多いです。
おそらく日本では飼っていらっしゃる方が一番多いクマかと思います。
しかし、青クマ以外にも他のクマを併発していることも多いですので、他のタイプも読み進めてみてくださいね。
タイプ2 茶クマ
①茶クマの原因
茶クマの主な原因は色素沈着。
皮膚を強く刺激すると、メラノサイトが反応し、メラニン色素が過剰に増えてしまうことがあります。それにより、他の皮膚の部分よりも一段階暗い肌色になってしまうのです。
この強い刺激、というのが厄介で、誰もわざわざ自分の肌を傷つけようとはしていないと思うのですが、ご本人が無意識で行っている行為が強い刺激になっていることがあるのです。
以下のような行動に心当たりがある方は気を付けてみてください。
●花粉症やアトピー性皮膚炎などのかゆみのために強く目をこすってしまうことがある
●アイメイクが落としづらく、クレンジングや洗顔の際に無理やりに目周りをこすってメイクを落としている
●涙目になりやすく、常に目尻などが湿っている(湿った肌はバリア機能が弱まっているため刺激に弱いため)
②茶クマの判断方法
■上のような行動に心当たりがある。
■目の下だけでなく、目の上も同じように暗い。
■目頭より目尻の方が暗い。
このような方は茶クマの場合が多いです。
紫外線だけなく、肌の着色は摩擦など物理的な刺激でも発生しますので、心当たりがある方はご自分のお顔の取り扱いに少し気を付けてみてくださいね。
タイプ3 赤クマ
①赤クマの原因
赤クマの主な原因は炎症または軽度の血行不良、そして点眼剤の副作用です。
解説したように肌の赤みは毛細血管の色。肌に何らかの炎症が起こると毛細血管が浮かび上がり、肌が赤く見えます。(虫刺されや火傷もそうですよね)
また、青クマまではひどくはないのですが、軽度の血行不良の際に、目の下が赤く見えることがあります。(赤くなるということは部分的に血行が良いように見えますが、循環が悪いと考えられます)
そして、意外と多いのが緑内障点眼剤の副作用。緑内障とは無縁という方も、まつ毛美容液の使用はいかがでしょうか?
というのも、緑内障の薬として用いられるルミガンという点眼剤があるのですが、副作用として瞼につくとまつ毛が伸びるということで、一時期まつ毛美容液の代用として有名になったことがありました。
最近はめっきり見かけることが減りましたが、それに近い成分のまつ毛美容液が海外から輸入され多く出回っていた時期があり、実際にメイクレッスンをする中で赤く色素沈着されていらっしゃる方が多くいらっしゃいましたので、ご紹介しておきました。
(もちろんすべてのまつ毛美容液にそのような成分が含まれているわけではありません)
②赤クマの判断方法
■まつ毛美容液や点眼剤の使用に心当たりがある。
■顎を少し上げて鏡を見ても色が変わらない。
■かゆみや痛み、こするなどの自覚症状がある。
このような方は赤クマの場合が多いです。
タイプ4 黒クマ
①黒クマの原因
黒クマの原因は骨格やたるみによる影。
これまでのタイプ1-3とは異なり、皮膚の色自体ではなく、物理的な凹凸があるために光の当たり方によって影に見えてしまうのが黒クマの正体です。
生まれつきの骨格上、目立ちやすい方もいらっしゃいますし、加齢に伴い皮膚のたるみ(目袋と呼ばれるやつです)によって目立ってきてしまう方もおられます。
いずれにしても他のタイプと異なり、皮膚の色が暗いのではなく、凹凸によって暗く見えるという意味において、メイク法も大きく異なってきますので、しっかり判断をしてくださいね。
②黒クマの判断方法
■物理的に目袋が膨らんでいる。
■皮膚を伸ばす、もしくは顎を少し挙げて鏡を見た時にクマの色が薄くなる。
このような方は黒クマの場合が多いですが、他のタイプと併発していることが多いですので、他のクマの可能性がないか観察してみてくださいね。
2.クマをカバーするときに使用するもの4選
1コンシーラー
コンシーラーはファンデーションよりもカバー力があり、重ねることで肌色を変えて見せる効果があります。詳しいコンシーラーの選び方はこちら。
①青クマの場合
青クマにはオレンジやピンクなど赤みのあるコンシーラーやコントロールカラーを使用します。青みが強いほど暗めのオレンジを使用してください。
■エトヴォス ETVOS ミネラルコンシーラーパレット SPF36 PA+++
(※中央のオレンジ色)
②茶クマの場合
茶クマの場合も暗めのオレンジがおススメです。
茶色は明度が低く、他の肌よりも暗く見えるはずです。一旦その色をカバーするにはそれに対抗できるだけの暗めのアイテムを使う必要があります。
③赤クマの場合
赤クマの場合にはイエローのコンシーラーがおススメです。
■THREE アドバンスド スムージング コンシーラー(YE)
■Dior フィックス一イットカラー(イエロー)
但し赤クマも他のクマと併発していることが多く、青クマにイエローをのせると逆に目立ってしまう場合もあるため、場所によって色を変える。
もしくは、イエローかオレンジのアイテムのどちらか一つに絞りたい場合はイエローの要素をふくんだオレンジを選択されるのがベターです。
④黒クマの場合
黒クマの場合は明るいコンシーラーを使用します。
実際に肌の色が着色しているわけではなく、物理的な凹凸によって暗く影に感じているだけなので、明るいアイテムで影を飛ばせば、目立ちにくくなります。
■エトヴォス ETVOS ミネラルコンシーラーパレット SPF36 PA+++
(※下のライトカラー)
但し、黒クマは他のタイプのクマと併発していることも多く、その場合は先に暗めのアイテムで肌色のカバーを、その上で明るいアイテムで影を飛ばします。
2コントロールカラー
コンシーラーよりも薄く軽いアイテムです。質感をもってカバーするコンシーラーに対して、色によって目立ちにくくするのが特徴です。
薄いクマの場合はコントロールカラーだけでもカバーできる場合があります。
使用する場所はコンシーラーに準じます。
コントロールカラーの選び方はこちらも参考にされてくださいね。
3コンシーラーブラシ
コンシーラーは多すぎても少なすぎても自然な仕上がりになりません。量が調整できるコンシーラーブラシを使用されるのがおすすめです。
■資生堂 クレ・ド・ポー ボーテ パンソー (コレクチュール)コンシーラーブラシ
4置き鏡
3.クマのカバー方法(基本と応用)
[基本]単色クマの消し方
①顎を引いて鏡を見て、クマの境目を確認する
②境目をまたぐように目頭と目尻に暗めのコンシーラーをブラシでのせる
③色が濃い場合は②の間にもう一本のせておく
④ブラシを縦に寝かせて境目から順に馴染ませていく
⑤まつ毛のキワは目尻から目頭へブラシを横へ寝かせて引っ張る
⑥クマの色が強く残る部分は同じコンシーラーを重ねる
⑦トントンと指で馴染ませる
★クマが目立ちにくくなりました!
[応用]黒クマ(骨格クマ)が重なっている場合
(黒クマだけの方は②からでOK)
①基本のクマの消し方でカバーする(黒クマが残った状態)
②明るいコンシーラーを骨格の凹部分を狙ってのせる
③凹から凸の部分へ向かってブラシで馴染ませる
★黒クマも目立ちにくくなりました!
[応用]クマと元の肌の色の差が大きい場合
(基本のクマの消し方をするとコンシーラーの色が浮いてしまう方はこちら)
①基本のクマの消し方でカバーする(コンシーラーが目立っている状態)
②カバーした部分と肌色の境目をまたぐように肌色くらいの明るさのコンシーラーをのせる
③指でトントンとなじませる
★色の差が目立ちにくくなりました!
4.メイクでクマが消えない理由
-1 使用するコンシーラーの色の選択が間違っている
クマの種類によって使用するコンシーラーの色は異なります。 青クマにイエローのコンシーラーをのせると緑っぽくなるなど、合わない色を使用すると逆にクマを強調させてしまうこともありますので、まずはご自分のクマの種類を見極めることが大切です。
-2地肌の色を無視している
黒クマ(骨格クマ)を除いて、基本的にはクマは暗めのコンシーラーでカバーをします。
しかし、肌色が白く、クマの色とのギャップが大きい場合、クマをカバーするコンシーラーがかえって地肌に浮いた仕上がりになってしまうことがあるのです。
その場合は、クマをカバーした上でカバーしたコンシーラーと地肌の色とを繋ぐ色をずらし重ねると自然に馴染むようになり、クマが目立ちにくくなります。
[3-3クマと元の肌の色の差が大きい場合の消し方]を参考にされてくださいね!
-3範囲が狭い
クマの範囲の認識が狭く、涙袋あたりまでしかカバーされない方がいらっしゃいます。
そもそもクマができるのは、眼窩と言われる目のくぼみの下ラインに沿ってできることが多いです。(骨の支えがないため、皮膚もうすくいため、様々な影響を受けやすい場所)
白い線は涙袋の影、クマは赤い線が境目です。白い線の範囲だけで止めてしまうと余計にクマが目立ちます!!
分かりづらい場合は思い切り顎を引いて鏡を見上げ、色の差がある部分をよく観察してみてください。そのエリアを超えるくらいコンシーラーを広げなければカバーはできません。
-4視野が狭い
-3で申し上げたように、目の構造上、骨で支えられていない目玉の周りは皮膚への負担が大きくなりますし、皮膚も薄く色の影響を受けやすいです。
それは赤ちゃんであっても子供であっても誰でもそういうものなのです。ですので、クマを気にすれば誰でもクマがあることになりますし、どんなにコスメを重ねてもなくなることはありません。
大切なのはそこだけに固執しすぎずに、視野を広げてみること。人からの目線がそこに行ってしまうほどお顔の明るさを邪魔するようなクマはカバーし、目線を他の場所(例えば魅力的な目元や口元)に目線が行くように促すために、コンシーラーで目立ちにくくするという意識でメイクされると良いと思います。
まとめ クマを目立ちにくくするにはまず自分のクマのタイプを知ることが重要!
いかがでしたでしょうか
●クマには大きくわけて4つの種類(青クマ・茶クマ・赤クマ・黒クマ)があります
●それぞれのクマに対してカバーに効果的なコンシーラーの色は異なりますので
まずはご自分のクマのタイプを知ることが重要です
●人に寄っては複数のクマを併発している場合もあります。
ご自分のクマのタイプが分かれば、少ないアイテム・工程で最大限のカバーが可能になりますよ。
一度ご自分のクマのタイプを観察してみてくださいね!